紛争の内容

本件は、学校におけるいじめに関する事案です。

ご依頼者の方は、いじめの被害に遭われた児童の保護者の方であり、加害児童及びその保護者に対して、ご自身のお気持ちやお考えをきちんとお伝えするとともに、加害児童側に反省を促したいという強いご意向をお持ちでした。そこで、加害児童及びその保護者に対して通知を送付することを主たる目的として、ご依頼を承りました。

交渉・調停・訴訟等の経過

まず、今回のいじめによる被害の状況について、ご依頼者の方から細かく聞き取りを行いました。

どのような行為が行われ、ご依頼者の方やお子様がどのような思いを抱かれたのかを丁寧に確認したうえで、その内容を整理し、相手方に対して説得力のある形で伝わるよう文書を構成いたしました。

そのうえで、加害児童及びその保護者に対し、内容証明郵便により通知を送付いたしました。通知は一度にとどまらず、状況に応じて複数回にわたり行い、ご依頼者の方のお気持ちと反省を求める意思を明確にお伝えいたしました。

本事例の結末

反省というものは、賠償金額のように数字として明確に表れる性質のものではありません。

そのため、成果を数値で示すことは難しい事案ではありましたが、内容証明郵便による通知を重ねることによって、加害児童及びその保護者に対し、ご依頼者の方のお気持ちを正面から伝え、反省を促すという当初の目的を果たすことができた事案であります。

本事例に学ぶこと

本事例から学ぶことができますのは、紛争の解決が必ずしも金銭の獲得のみを目的とするものではなく、ご依頼者の方のお気持ちをきちんと相手方に伝え、反省を促すこと自体が重要な目的となりうるということです。

とりわけ学校におけるいじめの問題では、被害に遭われたお子様やその保護者の方が抱える思いは深く、その思いを相手方に正確に届けることそのものに、大きな意義があります。

本件におきましては、被害の状況を細やかに聞き取り、これを整理したうえで、相手方の心に届くよう説得力のある文書として構成したことが、ご依頼者の方のお気持ちを的確に伝えるための重要な要素となりました。

また、通知を一度で終わらせるのではなく、複数回にわたって繰り返し行ったことも、ご依頼者の方の真摯な思いと反省を求める強い意思を相手方に伝えるうえで効果的でありました。

さらに、反省を促すという成果は数値として明確に表れるものではありませんが、そのような目に見えにくい目的についても、ご依頼者の方のお気持ちに寄り添い、丁寧に実現を図っていくことが弁護士の重要な役割であると改めて認識させられた事案でした。

弁護士 時田 剛志
弁護士 遠藤 吏恭